家ない
家は自分で燃やしました


145-kane-rogo1

20代ならきっと1度はこの言葉を言ったことがある、「同情するなら金をくれ!!」という流行語を生みだした『家なき子』(1994年)は安達祐実の出世作であります。

逆境に負けない少女の人生を描いている、と聞くと世界名作劇場の『小公女セーラ』を彷彿させますが、逆境に立たされたからこそセーラのように清廉ではいられず、主人公の相沢すずは一部を除いては全て敵と見ている姿勢をとっています。

子どもとは思えない大人びた言動と、心を開いた人の前にだけ見せる子どもらしい姿の安達祐実の演じ分けが素晴らしく、天才と称された意味を実感することができます。

この大人びた部分というのが凄まじくて、お金の為なら盗みも問わず、大切な人を守るためなら殺人も問わないのであります。

わずか小学6年生の少女が、です。

愛情深い反面、大事なものを傷つけるものには容赦ない二面性がすずというキャラクター像を作り上げています。

すずの逆境を作り上げた原因である養父の悟志、宿無しとなったすずを引き取ったものの執拗にいじめ抜く伯母と従姉妹など数々の敵対する人物によって彼女の人生は壮絶なものとなります。

暴言暴力は当たり前で、普通だったら病んでしまいそうな状況でも涙を見せることなく歯向かったりするのでその逞しさに感心するばかりです。

床に落ちたおにぎりを食べさせられそうになったり、柱に括り付けられてボールの的になったりと、あまりにも古典的である意味90年代らしいイジメなので今観ると1周回った面白さがあります。

周りには見事に悪人しかいないのでまるで童話の世界です。

継母や家族によってイジメ抜かれる状況はまさにシンデレラのようですが、『家なき子』では両想い相手の王子も死んで円満解決どころか人間の醜さだけが残って最終回を迎えます。


もう1人の主人公


家なき子

この醜さの一因となったのが、すずの担任の片島智之(保坂尚輝)です。この片島は実母と実母の主治医と同様にすずの味方ポジションにいた人間でした。

この作品はすずの片島の物語が交錯することによって話が進んでいくためはもう1人の主人公と言えます。

不遇な子ども時代を過ごして貧乏の辛さを知っている2人はどこか似通っており、お互いを助け合うシーンがいくつも見られます。

しかし、すずの養父の悟志と出会ったことによって同じように人生が狂わされます。

過去をゆすりネタに使われ、犯罪の片棒を担がされることによってどんどん追い詰められていきます。

恋人の親の会社の後継者と片島はお金と権力によって人が変わっていき、最終的に目障りとなったすずを殺そうとするほどにまで闇落ちしてしまいます。

皮肉にもすずが最も嫌ったカネゴン(お金にガメつい人間)となって、しかも最後は死んでしまうため大変後味が悪いです。

天才子役として活躍した安達祐実ですが、全国的に顔が知られてしまったせいでかなり辛い目にも遭ったようで良いことのほうが少なかったみたいです。

しかし彼女はバッシングにも耐えて今でも女優として活躍しており、2014年には同じように天才子役と称された芦田愛菜と『明日、ママがいない』で共演を果たしました。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

この著者の最新の記事

関連記事

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

ピックアップ記事

  1. dekigoto

    2015/10/4

    出来事
  2. hit

    2015/10/4

    ヒット曲
  3. tvcm

    2015/10/4

    TV番組・CM
ページ上部へ戻る